静かで穏やかに過ぎてゆく君との時間は
誰と過ごした、どの時間よりも
僕にとって心安らぐものである。
君と僕はほとんどの時間を無言で過ごすけれど、
それでも無音の空間ではないのだ。
君と僕の呼吸。
時を刻む針。
身じろぎしたときの衣擦れ。
君と僕が好きなソーダ水の弾ける炭酸。
君と僕の生活の中には音が溢れている。
会話は少なくとも、
2人の時が共に進んでいくことを、
音が教えてくれている。
僕だけが知っている君を眺めながら
そんなことを考え込んでいたら
ソーダ水を入れたグラスが水滴を垂らしていたので、
思っていたよりも時間が過ぎていたことに驚き、
思わずぬるくなったソーダ水を、
ひと息に飲み干してしまった。
8/3/2025, 8:49:29 PM