John Doe(短編小説)

Open App

メモリーズ


君は出ていった
ある日突然僕の側から去っていった
教えてくれないか?
僕に何ができたのかを
君は知っていたはずだよ
僕が泣き虫なのを知っていただろう?
僕が弱虫なのを知っていただろう?
僕が本当に傷つきやすいヤツだって知っていたはず

君は帰って来ない
もう何もかもが空っぽなんだ、あるのは残り香だけ
教えてくれないか?
僕に何ができたのかを
僕は信じていたんだよ
君がいつも僕の側にいてくれることを
君が実は繊細な心の持ち主だってことを
君が心の底から幸せを願っていたことを

もう泣き疲れたよ
それなのに涙はまだ止まらないんだ
君は白い箱の中で笑顔に眠っている
君の大好きだった花を添えた
ねえ、僕はどうすればよかった?
ねえ、これから僕はどうやっていけばいい?
教えてくれないか?
何が君を遠くの国へ連れて行ったのかを
僕もそこに行けば君と再開できるのかを

いつまでも泣いてちゃいけないよな
君もきっとそれを望んじゃいないよな
分かってる
分かってるよ
だけどお願いだ
いつまでも僕のことを忘れないでおくれ
この弱虫で泣き虫な僕のことをさ

12/23/2023, 9:14:33 AM