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 「なんで私が振られなきゃなんないの?連絡だってす
 ぐ返したし、何か貸してって言われたら嫌な顔せずに
 貸してあげたし、こんなにも尽くしてきたのに…どう
 して…?」
 「それが相手にとっては重かったんじゃない?ただ相
 性が合わなかっただけだよ。」
 「え?!私って重かったんだ…。」
 「いや、そういうことじゃなくて、相手にとってって
 いう…」
 「うわーん、こんなんで重いとか言われたら無理だ
 よ!もう恋愛なんてできないー!」
 
 失恋するといつもこうなる友人は少し面倒だ。でもこ 
んなことを言いながら1ヶ月以内にはもう新しい彼氏を作っている。

 「はぁ、恋愛できないっていいながらすごいペースで
 してるけどね…。」
 「今回はホントのホントにできないもん。」
 「できるできる。」
 「できないから!」
 「何よ、今日は一段と面倒くさいな…。」
 「面倒くさい女で悪かったねー!」
 「あっ、ごめんごめん。だって私恋愛したいって思う
 ことないから正直あんまり共感できないんだよね。」
 「えっ、なんかごめん…。」

 あんまりこういう話はしてこなかったから、恋愛脳の友人にはショックだっただろうか。

 「何かしたいことないの?ほら、恋愛以外でもさ。」
 「えー…特になにもないかな。」
 「えー?!私たちまだ若いのに、つまんないよそんな 
 人生!あれでしょ、七夕の願い事とかでも健康第一っ
 て書くタイプでしょ。」
 「そうだけど、それは別にいいじゃん。」
 「なんか楽しみ事見つけようよ!私と!丁度彼氏もい
 ないから、放課後フリーだし!」
 「えぇ、寂しいことを紛らわしたいだけじゃない
 の。」
 「違うし〜!何か見つかるまで私付き合うから!来年
 の七夕で具体的な願い事を書かせてやるわ!」
 「何、その意気込み。でもまぁそこまでいうなら、お
 願いしようかな…。」
 「よーし!じゃあ早速明日から実行ね!」

 正反対な私たちだけど、私は隣に友人がいてくれるだけで毎日が楽しい。この日々がずっと続けばいいな…これが私の願い事、なんてことは恥ずかしくて言えないけど。


7/8/2025, 1:26:51 AM