あめ

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1000年って単位って長いのか短いのか割と認識しづらい。


3世代が100年かけて生をつないでいるとしたら、たった30世代かそこら遡っただけで1000年戻ってしまう。
35人、まぁ、両親並べるとして70人並べたら1000年が過ぎる。

あるいは、人生100年の人間が死ぬときに次の新生児にバトンを渡して繋いでいくとして、たった10人で1000年が経つ。

1000年って言うと長く感じるけど、人の命とそんなに果てしなく乖離した時間感覚じゃないよな。





千年単位の年月のことを考える時に思い出して、なぜかうっとり感じ入ってしまう事象があって、それが海洋深層大循環だ。

海の水ってグリーンランド近くで深層に潜り込んで、海底をゆっくりと水平移動する。アフリカの南を抜けた水は、太平洋で海面へ上昇し、そのまま赤道を西へと移動、再び北大西洋へ至る。この大循環する海水はおよそ2000年で地球を一巡する。

2000年前といえば、ヨーロッパはローマ帝国、キリストが生まれたくらいだ。
いま日本を通りかかるこの水の群れは、2000年前に日本を通りかかった水と同じ群れで、今この海に落とした一滴の水が、またここへ戻ってくるのは2000年先だ。


まったく私のあくせく生きてる毎日を足蹴にして、水の時間は進む。別に足蹴にはしてないだろけども。痛快だ。


そんなわけで、「1000年先も」というお題もまぁ何となく愉快だ。
私の命も永続させたい願いもちゃんちゃらおかしい時間軸で、世界の海を水は行く。

人間なんかと無関係に生きているもの・進んでいる時間、に何故か陶然としてしまうのだ。

さっきは1000年なんて長くもない、と言ったけども。
望むらくは水よ、1000年先も健やかに進め。とかなんとか。




ちなみに今あたまの中で鳴ってる曲は100sの『ももとせ』。
1000じゃないじゃないか。人生100年とか書いたからか。






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【49】1000年先も





2/3/2024, 7:26:29 PM