瑠唯

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「大人になったら列車に乗って遠くへ行くんだ」

昔兄貴がそう言ったのを何故か覚えてる。
なにか特別な事でも何でもない、日常の一コマを切り取った言葉。

なのに

強く印象に残っている。






キーンコーンカーンコーンコーンキーンカーンコーン


俺の兄貴とは両親が離婚したことにより分かれた血の繋がらない兄弟だった。
俺は昔から頭が良かったから、兄貴は俺と比べられていた。
テストで100点を逃すと飯抜き。暴力に家事放棄
当たり前だった ゛それ ゛が当たり前でないことを知ったのは、兄貴と分かれたあとだった


兄貴はクソババアから俺をずっと守ってくれていた
またどこかで兄貴に会って、お礼を言いたい。
兄貴の年齢だともう社会人だろうか、
兄貴はあれからどうやって生きていったのだろうか
俺は親父に引き取られたから、離婚したあと不自由なく暮らしていたが、クソババアに取られた兄貴はどうなっただろうか、
証拠さえあれば、兄貴も引き取れたのに
母親だからって、なぜ親権がいくんだ、

、、、、こんなこと言ってももう、仕方が無い
俺は医者を目指しているあいつにつけられた傷が兄貴についている。
俺が適切に処置出来ていれば、
だから、せめて今からでも学ぼうと思い医大に行っている。


兄貴は今、どうしているだろうか。



ある日、踏切を待ってボウっとしていると、
突然女の人が踏切から出てきた。
びっくりして腰を抜かした俺は、その女と目があってしまった
。女は俺が女に気づいていることを不思議がる様に、近づいてきた



それから同じように、人みたいなものが見えたり、
虫や爬虫類が大きくなったものが見えたりするようになった。


ほんと〜に困った俺はクラスの那智に話しかけることにした。
こいつは何やらお寺の家系らしいが、
いつも誰とも話さず、くら〜いオーラがあるため、あまり近づきたくないのだか、背に腹は代えられない。

   ↓俺     ↓那智
「なぁ那智、お((それどうしたの?」




「お邪魔します。」


那智「今、お菓子無いからお茶だけだ、ごめんね」

  「有難う、それで早速なんだけど俺、なんか憑いてる?」

那智「ついてるよ、それもとってもヤバイ奴。どこで取ってきたの?」

「俺にもさっぱり、突然変なものが見えるようになって、」

那智「見えるようになったの?そうか、だとすると、真(シン)ぐらいはあるかもな、
かなりヤバメだからちょっとまってて、」

「分かった」





十五分後

なぜこんな事になった??

本殿の奥連れられたかと思うと、隠し扉はあるし、禍々しい呪いの藁人形が積み上がってるし、
まじ高そうな布をふんだんに使った祠?があるし、
もう、かれこれ二時間ぐらい儀式?してるし、


「Ǣǖßñ⁴xtÙh₅ñf。」


なんて言ってるかは終始分からなかったが、どうやら終わったらしい。




お寺の人「炎くんと言ったね、君は今呪われている。それもとても強い霊に。君は何か人と比べられるような事があったかい?」

俺(炎)「はい、遠い昔兄貴がいました。元母が良く俺と比べてきました。」

お寺の人「その人とはどうなった?」

炎「親が離婚して、それっきりです。」

お寺の人「なるほど、これから貴方の未来について大切な話があります。」




あれからお寺の人といろんな話をした。
この人は大丈夫だと本当が告げた。
それは、とても、そうだな、哀しい事だった。

俺の呪いそれは、兄貴からだった。
兄貴は俺と分かれるとき、俺に ゛加護 ゛を無意識でつけたらしい。
元気でいるように。
兄貴は俺と分かれたあと、元母と、暮らしていたから、虐待は悪化したらしい。
段々平和な暮らしをしている俺が憎くなったらし
い。
兄貴はこの世の地獄にいた。誰も助けてくれず、暴力をふられ、自由も何も無い、
絶望していた。それが憎しみへ変わるのも時間はかからなかった。
俺は兄貴からの加護がついていたから、兄貴が死ぬまでは呪われなかったらしい。
つまり、あの時兄貴が死んだと言うことだ。


あのあと何とか呪いを解いてもらって、平和に過ごしている。
何となく兄貴が昔言っていた意味がわかった気がする。
列車に乗って遠くへ行って、自由になる。
兄貴はあの日やっと列車に乗れる切符が手に入ったのだろう。


列車に乗って

2/29/2024, 4:26:57 PM