Ayumu

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気を向けたことはなかった。
自分には関係ない。いや、変えていける。「それ」に従うことは絶対にない。
なのに、この現状はなに?

――ほうら、見たことか。
――なんと無駄な足掻きだったか。あわれ、あわれ。

そう嗤われた気がして、反射的に何度も頭を振る。
全部自らの意志で歩いてきた。たまたまに決まっている。最初に言った通り意識を向けたことなどない。
確かにそう自覚しているのに、どうして、どうしてこんなに、みじめで苦しいの。


お題:遠くの声

4/16/2025, 2:21:05 PM