孤舟蓑笠翁

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「好きな本」
夏目漱石の「三四郎」。
還暦を過ぎた私は中学生の頃初めて読み、以来、20回くらいは読んだ。
特定の言葉が私の心に響いた。
手元に本がないので記憶になるが、
「熊本より東京は広い。東京より日本は広い。日本より、・・・・・頭の中のほうが広いでしょう。いくら日本のことを思ったって、ひいきの引き倒しになるばかりだ。とらわれちゃだめだ。」といった内容だ。
冷静に時勢を見極めることの重要性を訴えた言葉だ。
三四郎が「これからは日本もよくなるでしょう。」と言ったことに対し、漱石の分身のような広田先生は「滅びるね」と断言し、漱石没後数十年後に敗戦により本当に滅んでしまった。
今、戦後70年。敗戦は明治維新後約80年。
我々は、真面目というか、真剣に、我々の行く末、世界の中の祖国日本の有り様を考える。そのことの大切さを漱石の三四郎から改めて思う。

6/15/2024, 10:15:29 AM