《向かい合わせの己》
(刀剣乱舞/地蔵行平)
地蔵行平という刀剣男士は、腰元に2振りの"己"がある。
一振は常日頃振るう打刀。
もう一振は抜刀出来ぬよう、紐で結ばれた太刀。
その刀について、とある本丸の審神者が一度尋ねたことがあった。
「何故、抜けぬ太刀を持って顕現したのか」
地蔵行平は、「気付けば太刀を吊るしたまま顕現していたのだが....」と前置きをしつつ、続けてこう答えた。
「この太刀は、いわばもうひとつの吾なのだろう。
向かい合わせで吾の中に住むモノの形なのだと思う」
明確な答えではない。しかし審神者にとってはその言葉だけでも十分な答えになった。
それは、《地蔵菩薩と閻魔大王が同一視されること》である。
複数の地蔵行平の存在の示唆の可能性もある。
が、2振りだけではなかったはず。
ならば答えは 地蔵菩薩そのものになろうとする彼の中に、
死者の善悪の裁きを下す閻魔の姿も内包されているということでは無いだろうか。
(あの時代の刀は、皆 大蛇(オロチ)と言ったのは誰だったか....)
地蔵と閻魔。対極の姿を与えられてなお、全てを救わんともがきながら生きるのが、地蔵行平なのだろう。
8/25/2024, 10:48:45 AM