【時計の針が重なって】時計の針が重なって、鐘の音がなる。ゴーン、ゴーン……。その低音は街に響き渡り、私を元の姿に変えていく。せっかく魔法でお姫様にしてもらったのに。そう思いながらも私は笑う。階段にガラスの靴を置いてきたから。きっと王子様は見つけてくれるはず。ガラスの靴を履ける私のことを。……それからどれだけ待っても王子様は来なかった。当たり前だった。だってガラスの靴もまた魔法でできているのだから。
9/24/2025, 8:16:16 PM