声が聞こえる
夢の中で彼が笑ってこっちに手を伸ばしていた。
でも後ろを振り向けば彼は泣いている。
泣いている彼は言う。
「行かないで。置いていかないで。そっちはだめだよ」
笑ってる彼は言う。
「おいで?大好きな俺のとこおいで?大丈夫だから」
そこで夢が覚めた。
次の日また同じ夢を見た。
声が聞こえる。
泣いてる彼を選んでいたら
私は……。
今日も泣いている彼の声が聞こえる。
ねぇ。私大丈夫だよ。もう苦しくもないし辛くもない。
だって……ここは。
ここはね、もうあなたに会えない場所だから。
いつも泣かせてばっかでごめんね。
大好きでした。
信じれなくてごめんね。
今日もあなたに声が聞こえる。
※フィクションです
9/22/2022, 12:02:15 PM