もしもタイムマシンがあったなら
私は今の時代に文豪と呼ばれる人々と話がしてみたい。
彼らがどんな思いで後世に伝わる名作を生み出したのか、
本人に直接聞いてみたい。
彼らの作品を読めば読むほど、私たちは彼らを
知った気になっているのではないか。
残された手記で彼らのイメージ像を作っている
だけなのではないか。
私はそんな気がしてならない。
太宰治だって、
人間失格と言ってても、
実はとても人間らしい人なんじゃないかと思ってならない。
私が彼に少し似ているからかとも考えたが、
それこそが固定観念だ。
でも気になる。
感情を筆に取り言葉として編み出して行くのが彼らだが、
本当にそれだけなのか?
名作のバックヤードにある文豪と呼ばれる存在の人生は、
今となっては映画化されたりアニメ、漫画、小説、
様々な形で紡がれ、作られてきた。
しかし、実際の彼らの人物像、心境、見える景色、
全てを知る人はいない。
私はその深層を知りたい。
もしもタイムマシンがあったなら、
私は彼らに会って、まず初めにこう言うだろう。
「初めまして。私は未来からやって来ました。」と、
きっと彼らは、如何にも不審者極まりない私の存在を、
其の巧みな文で綴ってくれるだろう。
7/22/2023, 11:28:29 AM