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命が尽きるまで
私は息をしよう。
大切な人たちに別れの挨拶をしよう。
月と太陽、星々に感謝を捧げよう。
何気ない日々を瞼の裏に焼き付けておこう。
身の回りの整理をしよう。
後悔が残らないように日々を過ごす、
それが最も簡単そうに見えて、割と難しい。
後悔も。懺悔も。幸福も。切なさも。
何をしようともここには何も残らない。
自分がいたという事実が徐々に消えていく。
わかっている。
できれば、皆の悲しみが一刻も早く終わりを迎えるよう願っている。
しかし、同時に相反する思いが私の中にある。
たとえわがままだと言われても、
自分は最後までその心に住みたいと…
そう思うんだ。我儘だとわかっているのに、ね?
せめて、少しだけ。
この命が燃え尽きるまでの間ほんの少しでいいんだ。
そこにいさせて。
あなたと明日を見ることが叶わないけれど、
せめてこの最後の夜だけはあなたの隣で…眠らせて

9/14/2023, 2:09:25 PM