─夜明け前─
スマホの画面には君の名前とLINEアイコン。
…嗚呼、また夜を更かしてしまったのか。
もう何回目かわからない通話。
夜明け前の、淡い青空になるくらいまで通話することもしばしば。
なんでこんなに電話するようになったんだっけ。
…あ、そうそう。君が控えめな僕に何故か話しかけてくれて。
アニメの話とかで盛り上がって、LINEも交換して。
通話を通していくうちに、なんでも話せる仲になって。
君も、僕のことを心から信用できるやつだって言ってくれて。
でも…たまに。本当にたまに、君を殺してしまいたくなる。
いつか君が…僕のことを裏切って、嗤う日が来てしまうんじゃないかって。
今までの思い出が、すべて演技だと突きつけられるんじゃないかって。
そんな日がいつかくるのかと、話す度に怖くなって。
だからそんな日がくる前に、君を殺してしまいたい。
…きっと僕を信用してるのは本心なんだろう。
けど疑ってしまう。怖くなってしまう。
そんな僕を、君は友達と呼べるかい?
9/13/2024, 12:55:08 PM