解釈違いではあるけど欲望に任せてちょっとあざといアーサーさん。たまにはかわいいフラアサも書きたいよね!
【Kiss】※フラアサ
間違いなく異常事態である。
なにって、もう隣の腐れ縁と付き合ってから三週間もたつ。それだのに未だ手を出すどころか、キスすらしてこない!会ったばかりのふたりじゃない、もう出会って千年はゆうに越えているんだ。早く接吻のひとつやふたつ寄越すのが恋人の義務だろうが。
植物に霧吹きで水をやるフランシスを、アーサーはソファから恨めしげに眺めていた。腕に抱えたベルベット生地のクッションは年季が入りごわごわして、さわり心地が良くなかったから横に放った。
「何、アーサー。変な顔して」
フランシスは嫌味かそうでないのか、アーサーの方を振り返りながら悪気のない顔で言った。アーサーはその悪口じみた言葉に腹をたてることもせず、フランシスの唇を見つめた。決して若々しさはないが、年相応ながらの色気がある。言えるわけがないだろう。恋人らしいことをしてほしいなど。素直じゃない性格でこの千年生きてきたんだ。しかも誰よりその性格を知ってるのがフランシスである。
【未完】
2/4/2024, 2:36:56 PM