「拝啓私へ」
そんな始まりをした手紙をアルバムから見つけた。
アルバムは10年前のものだから、恐らく10年前の自分が書いた未来の自分宛の手紙なんだろうか。
手紙を読もうと開けると、中には「彼氏はいますか?」とか「将来ケーキ屋さんになっていますか?」とか書いている。本当にごく普通の未来宛の手紙だ。けどこんなくだらない割には3枚という結構書いている。流し目で見て行き、3枚目に差し掛かった。
「もう虐められていませんか」「夢は諦めていませんか」「無理していませんか」
3枚目には悲痛な叫びが書いてあった。目を逸らしたくなるぐらい哀れな内容ばかりで。そして最後の言葉に書かれた言葉に目を通した。
「無理して生きなくてもいいから、ゆっくり休んで幸せになってね」
あぁ、どうしよう。最後の本を積み上げる時にちらっと見ただけなのに決意が揺らぐ。本が積まれてその上にロープがあるという光景で私は泣き続けた。
2/15/2023, 3:53:23 PM