深呼吸をひとつして、そっと目をひらく。
目の前には、底が見えないくらいに長く続く白い螺旋階段。
あなたが呼んでいるような気がして、そっと一歩を踏み出した。
降りるほどに深く深くなっていく真夜中みたいな青い青い世界。
私を歓迎しているみたいに、踏み出すつま先から小さな光がうまれていく。
ああまるで、海の底に星が降っているみたい。
綺麗。
呟くと、そうでしょう?と応える声。
そっと伸ばされた手が、私の指を絡めとる。優しい温度が伝ってくる。
待ってたんだ。
隣に立ったあなたが空を見上げて愛おしそうに目を細めた。
僕の海には、いつだって君の光が降っているんだ。
僕の見ているこの景色を、君にも見せてあげたかったんだ。
いつも本当に、ありがとう大好き。
………夢?
ぼんやりとしたまま薄暗い中視線を巡らせれば、時計は真夜中を指していた。
隣に眠るあなたは、幸せそうな顔をしている。
いくらでも照らしてあげる。
だからずっと、笑っていてね。
#Midnight Blue
8/22/2025, 12:04:18 PM