「『空』はねぇ、3月から数えて、『星空』2回に『空模様』等の天候ネタ3個、その他空ネタ2個に今回のコレで、合計8個目なんよ……」
「空」明記のお題だけでコレだから、他に「雨」とか含めれば、きっと20は空ネタ書いてきたな。
某所在住物書きは過去配信されたお題を追った。
確実に、空ネタは多い。いくつかネタをストックしておけば、いつか、お題配信とほぼ同時にコピペでズルできる日が来るだろう。 多分。
「……問題は空と雨がネタ切れ寸前ってことよな」
去年同様であれば、「空」はまだ1〜2回遭遇するし、天候として「雪」出題はほぼ確定である。
それまでにネタ枯渇を解消できるだろうか。
――――――
私が推してる同人発祥・原作のゲームに、いわゆる鉱石ランタンみたいなアイテムが出てくる。
複数個あって、それぞれ「偽物」が作られてるから、「ランタンシリーズ」と「ランタン:レプリカシリーズ」って言われてる。
有名どころでは、「癒やしのランタン」と、「癒やしのランタン:レプリカ」っていうアイテムだ。
詳しいことは割愛するけど、ランタンの中の鉱石がぼんやり、あるいは明るく輝いて、幻想的。
屋外にポツンとランタンがひとつ置かれてる、シンプルな構図の公式イラストは、
どこまでも続く青い空の下の偽物バージョンと、
星が輝く夜空の下の本物バージョンとで、
背後の裏話が違う、っていうギミックがあった。
ドチャクソに人気なゲーム内アイテムで、要望も多いのに、未だに商品化されてない。
原作者さんがランタンの光り方・光らせる方法・大きさと付属品等々にバチクソこだわり過ぎてて、企画書にゴーサインが全然出ないってウワサ。
で。何故そんな鉱石ランタンのハナシを紹介するかというと。 とある喫茶店で見つけたのだ。
ゲーム内のランタンとはそれほど似てないけど、
なんなら光る色も中の鉱石の形も違うけど、
すっッごく、雰囲気が「それ」っぽいランタンが、
喫茶店の、青空ゼリーの大食い完食チャレンジの景品として、掲げられてたのだ。
なんでも店主のおばあちゃんが、最近の長い長い夏と高温多湿を見越して、涼しげな形と味のブルーサイダーゼリーを大量に作ったらしい。
で、好評と売り切れと増産を繰り返して、昨今の最低気温ストンで余っちゃったと。
先着10名、ブルーサイダーゼリーを1kg完食したら、無料でランタンが貰えると。
はい。職場で長い付き合いの先輩連れて来ました。
実用と保存用、2個頂く所存です。
「永遠のこうはい」こと私、高葉井、頑張ります。
「後輩。こうはい」
「なぁに先輩」
「私は特に大食いでもないし、なんなら一般的には、少食にカテゴライズされる可能性がだな」
「大丈夫。ここのゼリー、低糖質」
「高葉井、」
「腹をくくれツバメ。お前も管理局の職員だろう」
「すまない高葉井。発言の元ネタが分からないし、私はツバメじゃない」
それじゃ、頑張ってね。
優しくて穏やかな顔したおばあちゃんが、
私と先輩が座ってるテーブルに、とことことこ。
1人分100gのガラスの器に盛られた「青空ゼリー」が、私と先輩の分で、ずらり合計20個。
整然と、並べられた。
青いソーダ味のキレイなゼリーの中に、ふわふわなホワイトサワーが閉じ込められてる。
卓上に大量展開された、どこまでも続く青い空。
20のガラスの器の中に、青と白が広がってる。
キレイといえばキレイだし、壮観といえば壮観。
内容物の重量は、2人分だから約2kg。
これを完食すれば、鉱石ランタンが2個手に入る。
「いくぞ。ツバメ!」
「だから。私はツバメじゃないし、どう返答すれば良いのか理解していない」
「ランタン回収ミッション、開始!」
「あのな高葉井」
大食い完食チャレンジ用に用意してくれたと思しきレンゲスプーンを持って、
ぷるん、青空のひとつを、青いゼリーの形を崩す。
口に含めば優しいシュワシュワ感が先に来て、
私の舌に、ゼリーじゃなくてホワイトサワーのソフトグミが当たってるってことに気づいた。
「美味しい。好き」
味変用に出されたハチミツは、さながら空の奥に控える陽光のモチーフだ。
ぺろり。秒で1個目を胃袋に収容する。
残りの大食い完食チャレンジ、青空ゼリーの個数は、19個。私は2個目に早々、ハチミツをかけた。
オチを言うと、先輩はなかなか健闘して、7個で撃沈。私は頑張って先輩の分も食べきった。
めっちゃ幸福に景品の鉱石ランタン2個を抱える私を、先輩は苦しそうな顔して、見てた。
10/24/2024, 3:36:53 AM