あぃ。

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お題:祈りを捧げて #1

※イケメンヴィラン 闇夜にひらく悪の恋より
エルバート・グリーティア×駒鳥 (エル駒)※

NL苦手な方はブラウザバック推奨






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ある浜辺に祈りを捧げる。
エルバート様の秘密の場所であり、悲哀が詰まった母なる海
水平線の向こうまで続く波に 私の想いを乗せて祈る。

''エルバート様を連れ去らないで''

''どうか、憂いを帯びたその感情を晴らして''

手をぎゅっと胸の前で握って、目を閉じる。
さすれば美しい波の音が鼓膜を揺らし、頭を支配する。

夜の浜辺はよく冷える
普段はエルバート様と共に来ていたが、今日は一人で来てしまった
今日だけは、エルバート様にこの行動を見られたくなくて。


波を音を聞きながら祈り、数十分が経った頃だろうか
ふと ゆったりとした足音が聞こえた。

バッとそちらを振り返ると、そこに居たのは
心配そうにこちらを見つめるエルバート様で。

''…ケイト、此処で何をしてるの''

エルバート様はこちらに近付くと、私の手を握って
少し俯いてから、こう言った

''……君がこんな時間に外に出ていると聞いて、心配した''

''何かあったらどうしようかと、思った''

''もう帰ろう、ケイト。手が冷えている。''

私はするりとエルバート様の手から手を離し

''まだ 帰れません''

…そう伝えた

エルバート様は不思議そうな 心配そうな顔をして、
私に問いかける。

''…どうして?''

私は深呼吸をして、エルバート様の瞳を見つめながらこう答えた

''私の祈りが、波に持って行かれるのを待っているんです''

''大切な願い事だから ちゃんと持って行かれているか見届けないと''

エルバート様は口を噤んだ。
そうして何かを思考するような仕草をした後に、

''…それは…どんな願い?''

確かめるような、不安を拭うような そんな瞳で
水平線の向こうを見つめた後、私に目線を移した

''ふふっ…いくらエルバート様でも、秘密です。''

''でも、悪い願いじゃないですよ''

秘密。だけれど、エルバート様の不安を拭うように
目を細めて微笑んでみせた。

''君は、…ズルいな''

そんな私の微笑みに少し安堵したのか、エルバート様も
美しく微笑んで私を見た

''…でも、体が冷えているから。
明日にまた来るのじゃ、ダメ かな。''

''うーん…エルバート様と話していたら、願い事がちゃんと連れて行かれたような気がするので、もう大丈夫ですよ''

''ん…そう、なら 良いけど''

そんな会話をしながら、手を取りあって 浜辺を後にする
エルバート様の手は 暖かくて、優しかった。
この穏やかな時間が、ずっと続いてくれれば良いな

今日は エルバート様が穏やかな夢に包まれて眠れますように

Fin
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12/25/2025, 5:51:46 PM