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   「たまには」


「おい、起きろ!おい」
「そろそろ教室戻るぞ、ってかヨダレ」
どんだけ気ー許してだこいつ。まったく、勘違いするからやめて欲しい。
「先輩、私のヨダレ見て変な妄想膨らませて変なことしようとしませんでした?!」
「どっちもしてないししようともしてないから安心しろ」
耳まで真っ赤にして…そもそも何しに来たんだこいつ。しかもちょっと不満そうだし。
「ほら、むくれてないで行くぞ」
頭を2、3度撫でてやり立ち上がろうとする
「先輩、ホントずるいです」
「ああ、そうかよ」
そっけない俺の態度に少し呆れたのか
「ほら、先輩行きますよ」
口調はやや棘があったが立ち上がる彼女を見上げると、満面の笑みで俺の手をとる彼女がそこにいた。
…こんな日があってもいいかと心のなかで呟いていた。

3/5/2023, 10:52:58 AM