お題「暗がりの中で」
オレが歩んでいた道は、まるでブラックホールのように終わりのない、暗闇に続いていた。
何も見えない真っ暗な道を、一歩でも進もうものなら、もう後戻りは出来ない。
なぜなら、後ろを振り返っても、来た道は見えなくなっているのだから。
だから、たとえ足を一歩を踏み出すのが怖くとも、前に進むしかなかった。
どこに続いているのかも分からない道をたったひとりで歩き続ける。
後ろを振り返らず、ただ真っ直ぐに。
だけど、ある日。闇に包まれていた視界に、ひとつの星が瞬いた。
その星の導きで、オレは迷わず前を向いて歩くことが出来た。
道の先は相変わらず分からないままだったけれど、その強い輝きで足元が照らされたおかげで、前に進むのに躊躇が無くなった。
暗がりの中で、オレは君という一等星を見つけたんだ。
10/29/2023, 11:01:29 AM