さっくん

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~私の名前~

光が差し込んで
カーテンがヒラヒラと揺れている
殺風景なこの部屋で私は産まれた。

看護師さん達は
部屋の中を歓喜という明るい声や顔で
私の方を見た

喜ばれることは
嬉しいことだ。

けれど
何かが違う。


何か物足りなくて
暖かくもない


看護師さんは
安心した顔の他に
悔やむ顔を私にみせた。


私の隣りが心地よくない


看護師さんは
「大丈夫だから」というだけ


産まれて数日で
外の世界に出れることを知れたが

私を迎えに来たのが
若くもない
老夫婦だった。

老夫婦は
涙を浮かべながら言うのだ。

「お前だけでも
生き残って本当によかった」っと…

大きくなってから
教えてもらったんだけど

私の本当のママとパパは
私が産まれる直前

第1子だったから
頭が回らず
とにかく私のことを
健康第一を優先して
車を運転してたらしい。

そしたら…もう
私の親は情けないよ

自ら信号無視だってさ

笑っちゃうよね。



けどね
私は毎日手を合わせることも
忘れてはないよ。

私にしてくれた
最後の親の務めを
私は忘れない。


じゃあ行ってくるよ。
私は新しい苗字になっても

親2人が残してくれた
名前のまま

共に過ごしていきます。



7/20/2022, 10:29:13 AM