星屑

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またいつかそう言って別れた幼なじみはもうここには居ない。
、、、はずだった。
「おい!そろそろ起きろ時間ないぞ」
「昨日寝れなかったのー、あと五分だけ、、、」
「おいって!」
「もう!!うるさ、、、い!?」
目を開けて目の前に飛び込んできたのは先日事故にあって亡くなったばかりの幼なじみだった。
昨日お葬式があり、私も亡くなった幼なじみにのことを思い明け方まで枕を濡らしていた。
あまりの思いの強さについに幻覚が見えるようになってしまったのか。はたまたまだ夢から覚めていないのか。
「、、、とりあえず寝よ」
目の前に見えた幼なじみは私が寝ようとすると何やら叫んでいたが、3台の目覚ましも無視できてしまうほどの私にはそのくらいの雑音屁でもなかった。
寝て起きたらどちらにせよ姿は見えなくなるだろう。
少し寂しい気もするが、それが現実というものだ。
現実にまでフィクションを求めてはいけない。
辛くたって前を向いていかねば、、、。

気づけば針は12時を示していた。
先程起きたのが8時くらいだから、単純計算で4時間は経っているはずだ。
考えているうちにだんだん頭も冴えてきた。
「よくも無視してくれたな!」
「なにか用??」
「やっぱり見えるんじゃねーか!」
そう言って幼なじみは頬を膨らませる。
誤解を招かないように話しておくと、私に霊感は無い。霊などと言う非科学的なものは信じない。
目に見えるものが全てと思っていたため、もちろんUFOなどと言ったものも信じない。
はずが
「、、、見えちゃってるんだよなー」
ほっぺをつねった。痛かった。
どうやら夢でもないらしい。
分かった。仮に目の前にいるやつを幽霊だとしよう。
そしたら目的はなんだ?何故ここにいる??
あー、あれか、恨みがあって成仏できないと言うやつか。
まだ借りた1000円を返していないことか?
友達に黒歴史をばらしたこと?
プラモデルを壊したのを黙ってたことか?
どうしよう。恨まれる理由が思いつきすぎて、尺が足りなくなりそうだ。
もういっそ本人に、、
「あのー、なぜこちらへ?」
「覚えてないとは言わせねー!」
覚えてないんだよー!!
なんなら覚えすぎてて分からないんだよ。
「、、、ごめん、ギブアップ」
「ったく、お前は昔からそういう奴だよな」
「せめてヒントだけでも欲しい」
「だー!もう、桜の木の下、放課後、手紙!!」
「はて?」
そんなありえないみたいな顔をしないで欲しい。
本当に覚えていないんだ。
桜の木の下?親戚とのお花見会か?それなら放課後は関係ないよな。手紙ってなんだ?そんなの貰った覚えがないぞ。
「本当に覚えて無いのかよ!あの日!、、、なんでお前は、ーー」
ピンポーン
正解を言ってくれそうな雰囲気だったのに。
チャイムがなって強制的に中断させられてしまった。
はーい、そう言って扉を開けると、私の従姉妹兼幼なじみがいた。
「ごめんね、急に押しかけちゃって、おばさんがここにいるって教えてくれたの。」
そう言う従姉妹の目は赤く腫れていた。
それもそのはず、私の幼なじみということはあいつの幼なじみでもあるのだ。
「私、ずっと謝りたくて。、、、これ。」
そう言って従姉妹は、手紙を差し出す。
差出人は不明だったが私の名前が書いてある。
この汚い字は見覚えがある。
それをどうして従姉妹が持っているのかは聞かなかったが、何となく想像はつく。

ーーへ
放課後桜の木の下で待ってます。
絶対に来いよ!



「本当にごめんね。私ずっと羨ましかった。
あの人から一途に愛されているあなたが。
だからってこんな事許されるはずもないのにね
あの日から二人はよそよそしくなっちゃって、、
本当にごめんなさい」
そう言ってまた従姉妹は涙ぐむ。
そうだったのか。やっと点と点が繋がった。

後ろではあいつが驚いた表情をしている。
さっきの発言から察するに、このことはあいつも知らなかったのだろう。
今更挽回できるとは思わないが、せめて私の気持ちだけでも言っておくべきだろうか。
それであいつが成仏できていないのなら尚更だ。
でもまずは、、、。
「正直に言ってくれてありがとう。当時の私は何が何だか分からないままあいつにきさ突き放されたように感じたから。やっと理由がわかってスッキリしたよ。、、でも私もあなたが羨ましかった。私があなたの立場だったら私もそうしてしまったかもしれない。だからこれはチャラということで。ね?」
本当にごめん。ありがとう。そう言い残して従姉妹帰っていった。


「、、、知らなかったとは言え、長年返事出来ずに申し訳なかったわね。でもあんたも悪いのよ?
私のことが好きなら諦めずに何度でも告白してきなさいよ。、、なんて私が言えたぎりじゃないけど。」
私は従姉妹とあいつが両思いなのだと思ってた。
だから邪魔しないようになんて考えてた。
「申し訳ない気持ちもあるし、ロミオとジュリエットのように心中してもいいけどどうする?」
「はっ!ごめんこうむるね、俺的には理由が知れただけでもう十分だわ。とっとと成仏して来世はお前の言う通り何万回も告白してやるよ。首を長くして待ってろよ」
「そっか、期待してる。、、、またね」
「またな」

7/23/2025, 6:26:52 AM