あたたかいね
寒い冬の昼下がり。
柔らかな陽だまりに、
小さな温もりを見つけた。
独りきりの日々は、
視線を落としたままで、
何処か急ぎ足のような、
余裕の無い毎日で。
君が去ったあの日から、
私はぽつりと独りきり。
冬の陽だまりの温かささえ、
いつしか、忘れてしまっていた。
「あたたかいね」
この小さな言葉でさえ、
もう、君には届かない。
吹き抜ける北風よりも、
凍てつく朝霜よりも、
私の孤独は冷たかった。
君のいない冬。
凍りつく寒さよりも、
静かな冷たさの中で、
漸く見つけた微かな温もりが、
君の微笑みじゃないことが、
何より心を切り裂いた。
それならば。
凍える冬の冷たさに、
身を縮めて耐えるほうが、
ずっと楽だったのに。
そんな、儚い強がりさえも、
冬の陽射しの柔らかさに、
少しずつ溶けていく。
1/12/2025, 9:37:37 AM