『自分の太陽』を探して、旅立ったっけ。
自分には運命のヒトがいて、その人は私の太陽で。いつも照らしてくれるんだろうな、なんていう、妄想を抱いて。
結局、居なかったけど。
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「...なんて、愚痴こぼしちゃった。ごめんね。嫌な空気にさせちゃったね。で?後輩君は青春してるの?」
「まぁ、実は...好きな人は、居ます。」
「え、ほんと!?いいなぁ...めちゃ気になる!...教えて?」
「えっ!?...えぇ、あ、えと...」
めちゃ取り乱してる...どしたんだろ...
「ごめん、ちょっと詰めすぎた?」
怖かったかな、とちょっと不安になって聞いたけど、
後輩君は、すぐに落ち着きを取り戻して
「そんなことないですよ。えー...どうしましょっかねぇ?」
と言った。...大人だなぁ
「こんなに大人な後輩君が好きな人、気になるなぁ」
瞬間、少しだけ後輩君が顔を赤らめた気がした。
「...しょうがないですね、教えてあげますよ」
「うん!ありがと!気になるぅ」
後輩君が、秘密ですよ、と私に耳打ちしてから
「先輩、あなたです」
そう言って少し恥ずかしそうに笑った。
「えっ...!」
嬉しいのに。ありがとうって、お願いしますって、言いたいのに。なんか、目頭が熱い。ちゃんと、話せない...
視界がぼやけていく。でも、これだけは分かった。
『君が、私の太陽なんだ』
8/6/2024, 1:04:12 PM