上から水が降ってきた。
ぽたぽた、ぽたぽた降ってきた。
わたしが上を見上げると、
わたしのむすめの顔がある。
わたしがどんなに話しても
ぽたぽた、ぽたぽた降ってくる。
どうしてそんなに濡れてるの。
どうして悲しい顔するの。
むすめの顔はびしょぬれで、
拭いても拭いても降ってくる。
だれかむすめを笑わせて!
わたしのだいじなむすめなの!!
お題:透明な水
題名:透明な水
「残念ながら余命は1年でしょう。」
ハンナは、十数年前、父が保護したプードルだ。
その頃、私はまだハイハイをしていて、あまり覚えていないけれど、ハンナが子守をしてくれていたらしい。
私が泣くと父母を呼びに行くし、私が玄関に向かっていくと段差の前に横になって進めないようにしていたそうだ。
私にとって家族の一員で、まだまだ隣にいてくれると思っていたのに。
涙が止まらない。どうしてハンナが。
こうしている間も、ハンナは寄り添っていてくれて、
私の顔を舐めている。涙をぬぐってくれているのかも。
そんな優しいハンナを見ていると、余計に涙がこぼれてしまう。
だれかハンナを助けてよ!
私のだいじな家族なの!!
5/21/2022, 12:05:21 PM