あの日…あなたは、私にプロポーズしてきましたね。初対面で、名前くらいしか自己紹介をしていないような状態なのに、「一目惚れだ」と私に告げて。あなたの熱意に流されるまま、私はそれを承諾しましたね。
最初は半信半疑でした。遊ばれてるって思っていました。けれど、あなたは変わらず私に愛を向けてくれて…いつの間にか、私もあなたの事を愛していました。
あなたとその仲間達のところへ、私はよく遊びに行っていましたね。もちろん、その逆もありました。あの時のお食事会…「宴」と言うんでしたっけ。酔い潰れた幾人かが、酒を飲ませようと私を追いかけてきたのも、そうはさせまいとあなたが躍起になってくれていたことも…ふふ、今ではいい思い出です。
あなた達と私達の間で、新たに2組の恋人も生ましたよね。片方がすんなりいったのに対し、もう片方はかなりの紆余曲折がありましたね…。うですがその分、あの二人の愛は非常に固く繋がったものになったように私は思いました。
そんな事実を、私以外のみんなから奪い去るのは。
あなた達という存在を、なかったものにするのは。
とても身勝手で、非道的で…許されることでは、ないのでしょう。
けれど……ごめんなさい。
穢れた神に壊された、あなたの心を治す為には。
あなたを媒介に、あなたの仲間達にまで伝染してしまった狂気を、なくすためには。
あなた達が、あの穢れた神の糧になるのを止めるには…もうこれしか、方法がなかったのです。
ごきげんよう、私の愛しい人。
おやすみなさい。
(「▒▒▒▒▒」―銀の炎が消えた時―)
11/18/2024, 11:30:16 AM