わたしに反抗期はなかった。
今は天国にいる父の支配下で、恐怖に怯えながら生きてきた。
だから心が迷うことはなかった。
だって、わたしの趣味も、希望も、夢も、進路も、全部全部、父が決めるんだから。
わたしは言いなりになって、良い成績をとって、顔色を窺って生きてきた。
「それ、おかしいよ」
大学時代の級友が教えてくれた。
「あなたの人生はあなたのものだよ。支配される言われはないよ」
わたしは初めて迷った。結果、家出をした。
父から大学だけは出てくれと言われて学費と仕送りは貰えた(バイトは許されなかった)。
一人で暮らして、レタスすら買い方を知らない自分にようやく気づけたのだ。
【心の迷路】
11/12/2025, 10:38:55 AM