「もう行ってしまうのかい?」
「ああ。特に長居する理由もないからな」
「淋しいけど、君が決めたことなら仕方ないな。そう言えば、行き先は聞いてないけど、目的地はあるの?」
「そうだな、今のところは無い。ただ、俺は昔から見切り発車で上手くいってきた奴なんだ。歩けばそこが道となるってやつだ」
「そうかい。でもまあ、君が言うんなら大丈夫なんだろう。君以外の人が言ってもただの戯言にしか聞こえないけど、君が言うとそこには一定の説得力がある。何故だろう」
「さあね。でも1つ言えることは、俺は誰よりも俺を信じてるってことだ。無論、随分と俺を買っているお前よりもな」
「そうだろうね。そうじゃなきゃ、こんな時期に1人で国を出るなんて無茶はしない」
「もちろん」
「少し長く話し過ぎたな。僕は僕で元気にやってくから、君もどうにか頑張ってくれよ」
「お互い死なねえ程度にな」
「またね」
「また」
3/31/2025, 4:05:05 PM