無音

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【140,お題:雪を待つ】

12月に入ってはや3週間目、寒い地方はもう降ったらしいけど
おれの家のお庭はまだ、カラリと秋のまま

「母さん、雪はいつふるの?」

「ん~、もう少し先じゃないかしら~?」

高すぎる椅子に登って、足をぶらぶらさせながら秋から変わらない窓の外を眺める

「雪つもるかなー?」

「どうかしら~?いっぱい積もるといいわね~」

椅子の上に立ち上がり、冷たい窓ガラスに息を吹きかけた

「おれね、雪だるまつくるの!あと、かまくらと...あと、いぐるー!」

キュッキュと指で窓ガラスをなぞると、そこだけ白い膜が剥げて線が引ける
2つ丸を書いて、点を入れて身体を付けると、2人分の似顔絵ができた

「こんどは母さんも遊べる?」

「......その時にならないとわからないわね~」

「そっかぁ...」

暖かい暖房の聞いた部屋に、うとうとと微睡みながら
くあぁ、と欠伸を1つ

「早く雪ふらないかなー」

12/15/2023, 10:02:23 AM