たーくん。

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私、泣かないよ。
今には溢れ出そうな涙を、太ももをつねって引っ込めた。
だって辛いのは、お母さんの方だから……。
病院で検査してもらうと、重い病気であることが分かり、余命宣告を受けたお母さん。
聞いた時はすごいショックだったけど、お母さんの方が私よりショックだと思う。
安心してお母さん、私が傍で支えるから。

静かで、空気が重い火葬場。
お母さんは、余命宣告を受けてから二ヶ月で亡くなった。
あまりにも……急過ぎる。
弱っていくお母さんを見るのはすごく辛かったけど、私は泣かなかった。
最後のお別れで、棺桶の中に眠るお母さんに手を合わせる。
横にいたお父さんが、私の肩にポンッと手を置いた。
「お母さんのことを想うなら、泣いてあげなさい。強がる姿が最後だと、お母さんは心配して天国へいけないよ」
お父さんの言葉を聞いて、お母さんとの思い出が次々と頭の中で浮かぶ。
溜め込んでいたものが一気に溢れ、お母さんの前で思いっ切り泣いた。

3/17/2026, 10:05:12 PM