「……意味がないことってなんだろう。……占星術は私の将来には必要のない事だ、なんの意味もないことだとお祖父様も、大人たちも遠ざけようとするんだ」
今にも泣き出しそうな顔を下幼い王子様が腕の中に大事そうに抱きしめる本は、大人たちに見つからぬよう幼い従者が幼い王子様の為に持ってきた本だ。
「…………」
「星が好きなことは本当に『意味がないこと』? 今の私にはとても意味のあることなのに」
「……意味がないことなんてありませんよ」
幼い従者は幼い王子様を宥める為にそう口にする。
勝手な大人たちからすればきっと、このやり取りも意味のないものに見えるのだろうか。
20231108 意味がないこと
11/8/2023, 11:42:24 AM