朝の情報番組。
毎日見てるから、天気予報が何時に流れるとかもう分かってる。
だけど、この日は少しバタバタしてた。
「あっ!天気予報見るの忘れた!」
たまたま見るのを忘れてしまった。
「まあ、今晴れてるなら晴れるっしょ!」
今はものすごく晴れている。
ここから雨とか考えられないくらいの天気だった。
キーンコーンカーンコーン
「えっ!?雨降ってる!?」
「どうしたの〜?」
「なんで雨降ってるの。」
「天気予報見なかったの?」
「うん、今日はバタバタしてたし朝めっちゃ晴れてたじゃん。」
「夕方から雨降るって言ってたよ、」
「もう、見てない日に限って雨とか…」
「ねえ、傘貸して〜」
「ごめん!今日1つしか持ってきてない。」
「そっか、それなら仕方ない。」
「ごめんね、」
「ううん、気にしないで。」
「じゃあまたね!」
「うん!また明日〜!」
「うわ〜、どうしよう。止む気配ないじゃん。」
もう18時だし今から迎えもな〜
「はあ、走るしかないか。」
意を決して走ろうとした時。
「あれ、傘忘れた感じ?」
「えっ?」
そこに居たのは、私の好きな人だった。
「ふっ、傘忘れるとかどこまで馬鹿なんだよ、笑」
「仕方ないじゃん!天気予報見るの忘れたんだから、」
「どうすんの?これ夜まで止まないよ?」
「ん〜、走るしかないかなって。」
「馬鹿か。」
「はあ?」
「風邪ひくぞ。」
「じゃあ、どうすればいいのよ、友達も帰っちゃったし、今から迎えも迷惑じゃん?」
「いやいや、ここにいるじゃん。」
「うん?」
「だから、助け舟がここにいるじゃんって。」
「えっ、どこ?」
周りを見渡してもいるのは、私と好きな人だけ。
「はあ、どんだけ馬鹿なんだよ、」
「えっ?」
「だから、俺って言ってんじゃん!」
そう言うと貴方は顔を真っ赤にした。
「っ…」
つられて私も照れてしまった。
「どうすんの、入るの?」
照れながら言う貴方はとても可愛かった。
「う〜ん、」
「もう悩んでるなら入れよ。」
そう言って、私の腕を引っ張って傘に入れられた。
「行くぞ、」
「うん、」
この日の帰り道は、いつも以上に長く感じた。
たまに触れる貴方の手は少し肌寒いのに暖かかった。
これは、照れてるから?
私、期待してもいい?
fin
6/19/2024, 12:40:17 PM