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お題:これまでずっと 【編集中】※少し詰まってるので編集が遅れます

【俺彼女できた】
あまりにも突然だった。
幼なじみでずっとこの10年間片想いしてる永戸から、"彼女"だなんて。
今までそんな素振り1度もなかったのに……っ。
(何で今になって彼女?いつから好きだったの?告白したの?されたの?)
あ……
私今最低だ。
好きだからって大好きな幼なじみに彼女が出来たことを祝えないなんて……
(ダメだよ。こんなの。こんなの、人のせいにしかしてない)
思えばそうだ。
私、永戸の彼女になりたい言う割に、いつも"幼なじみ"をやってた。
一歩踏み出したら関係が壊れるかもって怖気づいてたからだ。
(時すでに遅しだよ) 
……この気持ちを知られないまま、幼なじみなんてしたくない。
(連絡、しよう)
【永戸、今抜けれる?】
私は永戸のメッセージに既読をして返事をした。

夜10時。
「あ、深雪、こんな夜どうしたんだよ。珍しい」
「あの、えっと、近くの公園行かない?話したいこと、あるんだ」
「深雪ほんとにどうした?何か悩んでんの?」
「……別に」


「俺から彼女に告白をした。1年前から好きだったんだ」
そう、だったんだ……。
私、やっぱり最低だ。
もし、彼女から告白されて好きになったのなら、まだチャンスがあると思った。
けど、恋なんてそんな都合よくいかない。
だから、二人が別れる可能性だってなくないんだ。
でも、だからって。
それまで待つとか永戸が私に好きになる可能性とか、もうそんなこと考えない。
だって、これからも永戸の幼なじみとしていたいから。
「永戸」
「ん?」
「好きだよ」
「……え?」
「返事はいらない。というか、彼女出来た後に告白とか最低だよ。だから、返事はいらない」
「深雪……」
「ね、帰ろ!ママたち、心配しちゃうよ、帰ろう?」
「……」
涙を見せないように笑顔で永戸を見て、家までの道に後ろを振り返らず真っ直ぐ前を見る。


「深雪、好きになってくれてありがとな」
切なそうに笑う永戸にキュウツと胸が苦しくなった。
振るなら嫌いになるくらいに振ってほしかった。
けど、それが嫌な自分もいる。
それにーーー永戸は優しいから。
優しいから、私のこと、少しでも傷つけないようにかけてくれた言葉。




さようなら、私の初恋。
あなたの隣にいられて、幸せでした。
大好きだったよ、永戸。

7/12/2024, 10:30:33 AM