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 ジリリリリリン

 目覚ましのベルが鳴ると同時に、アラームをすぐさま解除する。
 この目覚ましは物理的にベルを鳴らすタイプの目覚ましで、時間が来ると凄まじい爆音でなり始める。
 もはや死人すら飛び起きそうな爆音だ。

 この目覚ましで起きれなかったことはない1度もない。
 この時計はフリーマーケットで百円で買った時計だが、どうしてなかなか優秀である。
 外見も新品のようにもキレイで気に入っている。

 だがキレイ過ぎるので、買う時に何かあるのかと聞いてみた。
 売っていたやつが言うには、怪奇現象が起きるというので売るとのこと。
 それもう捨てろよと思わなくもなかったが、呪われるとか思ったのかもしれない。

 だが俺は細かいことは気にしない男だ。
 それに時計壊れたばかりで困っていたので、そのまま買った。
 そして今に至る。

 それにしても、疑問に思うことはある。
 怪奇現象とは何だったのかと。
 未だに怪奇現象というものに出くわしたことがない

 考えても見当がつかないので、一緒に暮らしているヤツに聞いてみることにした。
「この時計の怪奇現象ってあったか?」
「…さあ」
 同居人は答える。
 相変わらず陰気なやつだ。
 それに顔色も悪い。

「顔色悪いぞ。飯食ってんのか」
「…別に」
「何だよ。やっぱり食っていないのか。いつも食えって言ってるだろ」
「…食べれないし」

 屁理屈ばかりこねやがる。
 同居人は時計を買った時ぐらいから、一緒にに住んでいる。
 だが一回も食事をしているところを見たことがない。
 行くところがないと言うから、住まわせているんだが、餓死されても困る。

「ずべこべ言わずにそこにあるパンでも食え。
 俺は、家を出るからなちゃんと食っっとけよ」
 俺は、そう言い残し家を出る。

 だが、あいつは食わないだろう。
  そろそろ本気で食べさせないとヤバい。
 だがどうやって食べさせたものか、考えながら道を歩く。

 まったく。
 何も食べないからアイツの顔は死んだように青いんだよ。

12/21/2023, 9:46:59 AM