窓際に置かれた花瓶に君は赤い薔薇を三輪挿した。 振り向き微笑を浮かべる君に僕は目が離せなかった。懐かしさと君を失った失望感に打ちひしがれてあの日から僕は立ち止まったまま、時間だけが過ぎる。 思い出ばかりが室内に入り浸り、君が育てていた花はもう枯れてしまった。 やさしい思い出なんて僕はいらない、今欲しいのは叶わない願いだけ窓際に置かれた花瓶に挿した、枯れ色褪せた薔薇を僕はただ見つめていた。
8/10/2025, 2:00:28 PM