『現実逃避』
月まで続く線路を歩く
てくてく てくてく てくてくと
廃線となって久しい線路
冷たい空気に息が溶け込む
寂れた駅には星の欠片を
きらきら きらきら きらきらと
忘れ去られた星座が駅名
踏切は点滅の仕方を忘れてる
見飽きた星空に鼻歌を歌う
足先は常に月へと向ける
前を見るんだ
月だけを見るんだ
振り返ってしまうのは
自分が弱いせいなんだ
辿り着けないことなんて知っている
言われなくても分かってる
それでも それでも それでもと
欠けてく心が足を動かす
月まで続く線路を歩く
三日月 半月 満月と
形を変えてく月を望んで
2/27/2024, 6:53:46 PM