微塵子(ミジンコと呼んで)

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【清らかな】

「戻ってみたいものだなぁ」

ある古びた古本屋
客も入らず風が吹けば開け放たれた扉が
寂しげにカタカタと動く

そんな古本屋に珍しく
一人の客が入っていた

日暮 栞
彼女はそういった

「栞ちゃん、もう夕暮れだよ、
そろそろ家に帰りなさぃ、」

古本屋で働く
みすぼらしい中年の男性、店長が栞に話す
アルバイトで入っている若い女性もいる

「そうだよ栞ちゃん、またお母さんに怒られても
知らないよ〜?」

高く結んだポニーテイルを揺らしながら
明るい調子で話す

「、、、もう少しここにいてもだめですか?」

栞はむっとした表情でその女性に言う
ダメダメっと指をピンと立て
栞の鼻にあてる

「さっさと帰りなさいっほらっよく言うでしょ?
カラスが鳴くからかーえろーって」

「そんなに馬鹿にしないでよ、
子どもじゃないんだから、、、私はもう立派な高校生だよ?
大人なんだから」

大人ー?っとクスクス笑いながら
店長のほうに向く

「高校生だってまだ学生だぞ、帰りなさい
本屋も閉めなきゃいけないから」

ぶーっと不服そうな顔をしながら
栞は読んでいた本を閉じる
その姿を見てアルバイトの女性はニコッと笑い
偉い偉いっと頭を撫でる

「だから子どもじゃないってぇえええつ!」

【夕暮れに】

「あーぁ、追い出さーれたぁー」

わざと聞こえるように栞は話した

古本屋の店長達が手を降っていたのに気づき
めいいっぱい手を降ってから
家路へ向かった

「ん、ここ早く行かないと赤になるんだよねぇ」

栞の前には渡れない横断歩道と呼ばれる
ごく普通の横断歩道があった

栞はあまり通らないが
古本屋に寄って遅くなったとバレたら怒られるため
少し近道したのだ

「よしっ大丈夫かな?おうだーんっ」

【私は】

栞は死にかけていた
文字通り死にかけていた

テストでオワターとかそういうのではない
本当に死にかけていたのだ

「、、、まさ、か、、信号無視の車に、
はねられ、る、なんて、」

小さな声で栞はつぶやいていた

まだ意識はある

遠くから二人の大人が走ってくる

一人は警察官、もう一人は栞をひいた人だ

「、、、」

栞は薄らぐ意識の中
ただ一つだけ心残りがあった

「私、にも欲しかっ、、たな、」

その声は誰にも聞こえない

「友達、」

目の焦点が合わなくなってきた

「子供のように、簡単に、友達を、」

そこで意識が飛んだ

【死んだんだ】



あとがき

こんにちはっ微塵子です!!
不登校中学生です
昨日から始めました
小説とかだと短編より長編のほうが作るので
これは昨日の続きです!
ほんと後先考えずにつくっちゃってるので
若干話が噛み合ってませんね(わはは)
これからも続けていくつもりなので
よろしくお願いします!!

10/13/2024, 12:12:30 PM