快晴
下を向いて歩いてきた。地面はかわり映えがなく、道端咲く花ばかり見慣れていった。
特段気分が落ち込んでいるわけではないのに、下を向いているからか、なんとなく心が晴れなかった。
少しえぐれたような地面に溜まる水が空を反射して映す。雲一つ見えないそれが本当なのか確かめたくて、顔を上げた。
広がる空は青空で、雲一つないそれはまさしく快晴で。
それだけで、曇っていた心が少しだけ晴れた気がした。なぜだか嬉しくなるようなそんな気持ちがじわじわと広がって、自然と口角が上がる。
ああ、たまには上を見るのも悪くないのかもしれない。
4/13/2023, 2:08:38 PM