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あれはなつかしき、友だちとの海外旅行二人旅

人生二度目だったけど
初めては学校行事だったから
心境的にはこれが単独の初海外
それはそれは ドキドキした

とはいえ、行き慣れた友だちに誘われての旅行で
お手製のガイドブックを片手におまかせ旅

夜、現地のシンボルタワーを見にタクシーにのったら
走り出して早々、彼女がポツリ
「あれ、これ逆方向いってない?」
「えっ!?」

間違えるはずもない道で、どうやら遠回りしているよう

彼女がすかさず現地の言葉で何かを伝え
運転手も少し面食らった様子

何だかんだありつつもタワーの麓に到着!
「ここから歩くから降ろして」という声を無視して
構わず上っていくタクシー
メーターも上がり、はい到着

そこで運転手がとんでもない金額を請求してきた
即、抗議する友だち
勝手に遠回りし勝手に距離をのばしておいて
さらにこの金額はおかしいでしょ、と。

彼女が素直に払う素振りを見せないから
ついに運転手が声をあらげはじめた 
ドキドキが最高潮に達した瞬間だ

冷静に話しても埒があかないと彼女は判断したらしく
タクシーの外へと私を押し出した

行くよ!と促され 走る 走る
背中に運転手の声を聞いた気がするけど
ふりかえることなどできなかった

胸の高鳴りがおさまらぬまま、タワー内部へ入場
結局のところ、彼女は妥当と思われる金額を置いて出てきたらしい
一瞬 “無銭乗車” の文字が頭をかすめたけど、とりあえずホッと一安心

タワー最上階にあがり、まばゆいばかりの夜景を観賞
妙にテンションがあがって、記念撮影までしてもらった

フロアの人混みの中に
ときおり運転手の残像が見えた気がして
しばらく胸騒ぎがおさまらなかった

あの日みた素晴らしい夜景と
高揚感に包まれた表情をしている2人の記念写真

果たして夜景のせいだったか、そうじゃないのか。

忘れられない、昔の旅の思い出

37:忘れられない、いつまでも
(忘れられないものと忘れたくないものはまた違う)
 

5/9/2024, 12:45:04 PM