大雨で早足の帰り道。 ダンボールの中で縮こまってた子猫に足が止まったのは、なんとなく自分と重なって見えたからだ。自分の存在をアピールして助けを求めようともせず、ただただ刺すような雨の下、小さくなっていた。なにもかもを諦めて、苦しみに打たれて、死ぬことしか頭にはない。俺はその日、何を思ったのか、気づいたらその子猫をそっと抱き抱えて足早にアパートを目指していた。─子猫─ #116
11/16/2024, 8:58:29 AM