5 大空雲一つない空が嫌いだ。晴天が嫌いだ。どこまでも続く青い空が嫌いだ。――ああ、血が飲みたい。燦々と照りつける太陽の光を、いまいましげに睨みつけた。漆黒の細い糸を綺麗に織りこんで作られた大きな傘に、縮こまって苛立ちをあらわす。ついで、アスファルトに照り返す陽光にも腹立つ。この不自由な身体になって、まだ、五日目の朝のことである。
12/21/2024, 12:28:10 PM