『愛する、それ故に』
生まれて初めて、恋をした。
Tくん。私のクラスメイト。
初めて話したときからTくんの魅力に心を掴まれ、Tくんのことをもっと知りたいと思うようになっていた。
声も、仕草も、匂いも、何気ない表情も、全てが愛おしく、どうにかなってしまいそうなほど大好きだった。
いつかこの想いを伝えよう、そう思った矢先の出来事だった。
Tくんには彼女がいた。
夢であってほしかった。
嘘って言ってほしかった。
私の中にある何かが、一瞬にして崩れ落ちた。
こんなにも残酷な結末、誰が望んだだろう。
Tくんを見る度に痛む胸。
愛してしまったが故に味わう苦しみは、想像を絶するものだった。
人を好きになるって、こんなに辛いんだ。
10/8/2025, 2:12:16 PM