"秘密の手紙"
届くはずのない手紙を書いている。
過去の私に向けた文章を
普通ならば、未来に向けて輝かしい言葉を綴って大事に取っておいたりするのだろうが、やはり返事のない手紙というのは寂しくて、途中で投げ出してしまう
過去に向けてもそれは同じだろうと思うけれど、対照的にどうしてなかなかペンが進む。
そのため過去の後悔だとか叱咤を書いている。
やっぱり自分のことなので、何を言えば自分が動くのかその時に必要な言葉はなんなのかは理解しているものらしい。
届かないのが悔しくなって、やり直せないのが悲しくて
投げ出したくもなるけれどやっぱりそれも許せなくて、不意に手が痛くなる。
こんなこともあったな、どうしてこんなことができたのか、なんて思い出そうとすればいくつも出てきて止め処ない。
気づけば便箋を何枚も使って届くはずもないものを書き連ねていた。
過去に届くことを願って、秘密の手紙を潰してゴミ箱に入れた。
12/4/2025, 1:32:18 PM