黄金色の大きな満月が出る月夜の中秋の名月。
私はこの日をとても毎年楽しみしている。
なぜなら、この日だけは、天へと旅立ってしまったペットの兎達と再び会えるからだ。
今年も、ススキと団子を準備をして、家の縁側で今か今かと胸を膨らませて待っていた。
すると、眩しい程の輝かしい月光が、こちらに降り注ぎ、その中を五羽の兎達が飛び跳ねながら、やってきて私の周りに降り立った。
「みんな、久しぶり! 元気だった?」
そう話しかけると、兎達は声を揃えて『元気だったよ!』と応えてくれた。
それから、兎達と一緒に団子を食べ、ススキで遊び、色んな話をして楽しい月見の時間を過ごしていた。けれども、楽しい時間はあっという間に過ぎ⋯。
『そろそろ帰らなきゃ』
『そうだね』
『時間だもんね』
兎達の言葉に、スマホで時計を見ると深夜0時を回っていた。
名残惜しいが、兎達を困らせたくはない。
私は、笑顔で「またね、みんな」と送り出す。すると、兎達は、
『うん。またね!』『元気でね!』『バイバイ!』
と返事をして、元気よく月光のカーテンをくぐり帰って行った。
私は、その姿を見えなくなるまで見送った。
淋しさはない。悲しさもない。
だって、また来年もこうして会えるのだから。
3/7/2026, 9:08:54 PM