黄桜

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古き友に終わりを迎えるかもしれないと言われた。私は、やるせない気持ちで隣の友に目を向けた。ひと呼吸おいてから、私はいつ頃になりそうなのかと聞いた。頭の中は、入ってきた情報が整理されていないが、口からは喋るべき最低限の単語だけ滑り出してきていた。この時私は、自分を上から見下ろしているような奇妙な感覚に襲われていた。
友は口を開くと、あとひと月もないと答えた。私は、1度だけ瞬きすると、そうか、と諦め気味に言葉を零すと同時に頭を垂れた。最後だと思い、頭を上げると同時に言葉を吐き出した。

友よ、君に会えて良かった。

お終い

8/24/2023, 10:19:31 AM