まどろみの中、周囲の様子に聞き耳をたてていた。こちらに降ってくる陽の光が暖かくて眠くなってくる。でも、周りのことだって気になる。誰かが、同じ陽の下で呑気に何か飲みながら読んでいる。匂い的に、これはあの苦いのか。あいつは晴れていて家にいる時は大抵あんな感じである。よくかまって欲しいから膝の上に乗ったりするが、あんな文字だけのものを読んでいて飽きないのだろうか。私なら飽きる自信がある。多分数行だけで。…まぁ、生まれてこの方勉強なんてしたことないけど。ずっとあいつがご飯をくれるし、かまってもくれる。そうしてのんびりしていいのが私なのだ。ここに来てからだいたい少しで気づけた。いやぁ、のんびり過ごせるっていいなぁ!
…あいつはまだ集中しそうだし、かまってくれなさそうだから、この暖かい光に誘われたままに寝ようかな。
そうして、私は温かい家の中で暖かい陽に包まれて眠るのだった。
『太陽の下で』
11/25/2024, 11:22:36 PM