秋晴れ
美しい空でした。
涙ながらの通話を終え、見上げた青さはなんと尊大だったことでしょう。
秋晴れ、と呼ぶには少し遅い気もしますが、しかしそんな空模様だったのです。日陰から一歩出てみると、私たちをまんべんなく照らす太陽がありました。時折吹く風が、濡れた頬を撫でていきました。いつもは鬱陶しく焦りを感じる遮断機の音さえも懐かしく思いました。
私は確信したのです。今、私は幸せでないかもしれないけれど、決して不幸ではないのだと。
先生、あなたのおかげで。
『彼女と先生・おまけ』
10/19/2024, 6:04:44 AM