前回投稿分からの続き物。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の宿坊に、異世界からやってきたオネェの宇宙タコと人間の男性が、2泊3日のワーケーションに来ておって、
前者は神社の稲荷子狐と一緒にドゥンドゥン金ピカゲーミングたこ焼き器を使ってタコパ、
後者はちゃんと、タブレットと極薄クリスタルボードを使って、仕事をしておりました。
ちゃんと仕事をしている人間は、ビジネスネームを「ツバメ」といい、
稲荷子狐と一緒に稲荷タコパしているオネェは、ビジネスネームを「始祖鳥」といいました。
ところで今回のお題は「昨日と違う私」だそうで。
「ちょっとツバメ、アンタそろそろ休みなさいよ」
うねうねうね、ちょいちょいちょい。
子狐がたこ焼き器でヤケドしないように2本の足であやしつつ、別の2本でたこ焼き器の面倒を見て、
更に他の3本でタコ焼き生地の準備をカシュカシュしておったオネェ宇宙タコです。
最後の1本でツンツン、ツバメの肩を叩きます。
「アンタ、ここ来てから全然寝てないじゃない。
人間は体が弱いんだから、ちゃんと休んで、メンテナンスしなきゃダメよー」
「大丈夫です始祖鳥部長。まだ、いけます」
異世界の「コーヒー」とも言うべき類似飲み物の、希釈ポーションを1個直飲み、ちょっと白湯。
カフェインバフなどかけるツバメは徹目。
2徹を超えたその日のあたりから、目に見えて顔に血の気がありません。
まさしく、「昨日と違うツバメ」です。
「『昨日と違う私』?そうですね、昨日と違ってちゃんと『この』コーヒーをとっているので、
昨日と違って、眠気は、感じていませんよ」
いけます。大丈夫です。パチパチかたかた。
ツバメは虚ろ目で瞳を曇らせながら、
たまに生あくびなどして、しかし自分の仕事を猛スピードで為しておりました。
ツバメのその日の仕事は、東京に密航してきた異世界人が起こした暴動騒ぎの後始末。
東京の公的機関に「それっぽく」ツジツマを合わせた書類を回して、報道機関にも「それっぽい」シナリオをリークモドキして、
そして、「すべては常識の範囲内で為された科学的かつ日常的な茶飯事でした」と、皆に信じ込ませるための、アナログ作業でした。
この結果としてツバメの条志、もとい上司のルリビタキが、あっちこっち負傷して、現在行方不明。
どうせ現地住民たる藤森のアパートで、ごはんでも食べて休んでおるのでしょう。
で、数時間後にはピンピンして、傷もだいぶ治って、それでツバメのところに帰ってくるのです。
「 はぁ。 」
フラッ、 とツバメの視界が揺れます。
なんだか頭も、ちょっと、痛い気がします。
ちょっとコーヒーバフを、かけ過ぎたようです。
「だから休みなさいって言ってんのよ」
「密航者の騒動の後処理が終わったら休みますよ」
「それじゃ遅いって言ってんの。法務部長のアタシの言うこと聞きなさーい」
「仕事が終わったら休みます。お気遣いなく」
「相変わらず頑固ね。
秘技! 睡眠薬入り七色タコ焼き爆弾! おりゃ」
「縺ゅ▲縺、縲√≠縺」縺、縲√う繧ソ繧ソ繧ソ繧ソ!?」
ずぽん!
あんまりツバメの顔色がよろしくないので、
オネェ宇宙タコの始祖鳥、■■■を原材料にした、眠くなる効果のある薬入りのタコ焼きを、
ツバメの口の中に無理矢理シュート!
「ぐっッ、あ、ア……!」
喉というか食道から、胃袋の中に降りてくホッカホカたこ焼きが、熱くて痛くて酷いのです。
「ぶちょう、み、みず……、」
とはいえ、胃袋過ぎればだいたい大丈夫。
薬はすぐに、効いてきます。
薬はすぐに、ツバメを落とします。
「ぶ、ちょ……」
コテン。■■■入りの薬の影響で、ツバメはすぐに、夢の中。たっぷり12時間は眠ります。
「はいはい。おやすみなさぁい」
目が覚めればきっと翌日。
「昨日と違う私」となって、すなわち、しっかり休養をとってスッキリしたツバメとなって、
ちゃんと、顔色も良くなることでしょう。
「おふとん。おふとん」
「あら。優しい」
おやすみなさい。オネェ宇宙タコがツンツン、ツバメの腹を突っつくと、
たこ焼きを食べていた稲荷子狐が押入れからタオルケットを引きずり出してきて、
ツバメにぱさり、かけてやりましたとさ。
5/23/2025, 4:32:50 AM