ゆいに

Open App

やわらかな光」

新人「実はわたくし寿司屋で食べる茶碗蒸しが好物でして」

部長「ああ、なんかエビとか魚のアラとか入ってる奴が」

新人「寿司屋の余った魚で作った出汁が満遍なく染み渡ったしょっぱいプリン!中に埋まった緑の苦い宝石銀杏!海老の背中や腹の段々が舌に触った時の歓び!おばあちゃんのようなしおしおの椎茸の旨み!表面に蓮の葉のように張った三つ葉の香り高さ!あの神々しいやわらかな光の反射する黄色い宝石箱!」

部長「…やめろよこんな時間に…腹が減るじゃねえか。」

新人「行きますか部長!くら寿司ならそこそこ遅くまでやってる筈です!」


(奢ってもらう気満々の新人、笑顔で茶碗蒸しを絶賛し続けるが実の所両者共に金欠であることを知るのはその20分後である)

10/17/2024, 7:05:07 AM