NoName

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最終列車に乗り込む。窓の外の疲れた顔と風の音だけが対峙する。世界に一人のようと浮かれつつ、気がつけば風に息を潜めて時間は溶けた。降りた先は、止めどなく多くの声で溢れ返る雑多の街。風の音はどこへやら、一人と一人の雪崩に飲まれて、今度こそ本当の一人になった。

5/1/2025, 1:44:19 PM